りぼんマスコットコミックスから発売している槙ようこ先生の読切集『世界はきみを救う!』を読んだ。
表紙に惹かれたいわゆるジャケット買いだったのだけど、これが期待以上に面白かった!
以下各作品ごとの感想につきネタバレ含みます。
「世界はきみを救う!」
表題作。前後編。
何と言われようとも間違ったことをきちんと指摘する少女春澤ヒロのお話。
その態度から周りから正義チャンと呼ばれ、仲の良い友人もいない学校生活を送っていた。
そんなヒロがガラの悪い生徒たちが集まるC組の浜崎亮と出会うことから物語は始まる。
ヒロがどうして正義チャンと呼ばれてもそういう行動を取るのかその理由が良かった。
ヒロは不器用なんだなぁと。
原因である椎名も不器用であるし、だんだん打ち解けていくような様子は心和らいだ。
亮は純粋なのがいい。
その純粋さが、不器用で何も知らなかったヒロの世界を変えていった。
この二人の出会いと交流が主題であり、ヒロが鈍感ながらも心動いていく様はとても面白かった。
登場人物のほとんどが根は純粋な子たちなのもいい。
個人的にヒロのちょこんとした小ささとブワっと広がる長い髪の対比でとても可愛らしくで好きだ。
「ボクのキャンディ」
お人形さんのような可愛らしい見た目の女の子星野未実に一目惚れした久保田由希也は彼女に告白する。
OKは貰ったものの、天使のような見た目とは裏腹に彼女の性格はひとくせあるようで・・・。
見た目がすごい可愛いのに乱暴な言葉は使うし、怒ったら手も出してくるその実悪魔でもあるかのような未実。
そんな未実と苦労しながらも上手くやっていける由希也がいいキャラだと思う。
特にそんな未実の問題点を認めた上でそれでも好きであり付き合っていけるんだと言う由希也はとてもかっこいい。
いろいろあってやきもきしながらも二人が上手くいったのはとても良かったです。
そのやきもきの間に未実の可愛い部分が見れたのも面白かったですね。
「クリアノート」
内向的で読書好きで友達がいない長谷川瑠実が、友人も多くキラキラしている風間と日直を共にすることから始まる。
地味な見た目だけど瑠実はとても可愛い。
風間もそれを気づいていて積極的に接しているのがいいですね。
この読み切り集の作品の中で一番恋愛物でいて王道に近い作品だと思います。
瑠実から最後に積極的に出たってのが面白かったです。
「グリーンボーイ×ブルーガール」
宮端優は好きな人にツンツンした態度しかとれない不器用な少女。
その彼女が好きになった林剛は無口な少年。
そんな二人のちょっと変わったやり取りの恋愛のお話。
優がホント素直じゃなくて面白い。
その素直じゃない態度をお前は思春期なんだよと表現する剛には笑ってしまった。
確かに素直になれないのは性格だけじゃなく、思春期特有の複雑な想いもあるよね。
素直な愛情表現ができない優が面白くてとても可愛らしいです。
クスッとできるお話でした。
作品がどれも面白く、絵柄が大変好みなのでとても良かったです。
色んな恋愛物語が読めるのも読み切り集という形の良いところですね。
オススメの一冊です。
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