2012年6月15日金曜日

銀河のワールドカップ

川端裕人著の『銀河のワールドカップ』を読んだ。
前にも書いたと思うが、これはアニメ放映されている『銀河へキックオフ!!』の原作にあたる小説である。
以下感想につき小説の内容とアニメのこれからにもネタバレになるので注意。



この小説は裏表紙のあらすじを読んで花島コーチが主役なのかな?と思った。
だが実際読んでみると、メインである桃山プレデターの8人と花島コーチ、そして杏子さんの視点で様々に語られる内容となっている。
この様々な視点で語られる物語の読ませ方が実に面白い。
自分は活字を読むこと自体かなり久しぶりだったのだけど、苦になることなく楽しく読めたのもこの書き方のおかげだったと思う。
サッカーの面白さや桃山プレデターの面々のひたむきさが伝わってくるのも楽しく感じた。
これも様々な視点で語られているからこそ一層感じることだと思う。
桃山プレデターの少年少女の成長と努力、それに葛藤などとてもワクワクした。
キャラクターが個性的なのも個人的にはとても好みだ。
3兄弟が主軸ではあるが、翼にエリカ、玲華、青砥、多義、それぞれに物語と想いが感じられた。
最後のレアルとの試合は書評などを見るとリアリティが無いという意見も見るが、こんなワクワクする話に何を言っているんだという感じがする。
ルールを決めて枠の中で行った試合なんだから起き得ない話ではない。
それに物語が完全にリアルである必要はないのだ。
この物語はこの一冊で完結してしまっているのが、ある種残念ではある。
もっと桃山プレデターの少年少女の活躍を見たいからだ。
次は『銀河のワールドカップ』の外伝であり序章にもあたる『風のダンデライオン』を読んでみたいと思う。
これはアニメでも前半部にあたる女子プロとの試合に至るまでのお話のようだ。

以下ここからキャラ語り。
アニメと原作ではキャラクターのイメージが結構違う。
三つ子が作中で書かれているイメージだとアニメの恰好とはまた違った印象を受けるし、アニメだと太田翔だが原作だと太田翼である。そして家が焼肉屋ではない。
青砥もアニメだと金髪碧眼だが、原作だともう少し中南米の黒さを感じる。
多義は原作ではなかなか面白い喋り方をしている。
アニメでは現在まだ登場していないのでどんな風になるのか楽しみなキャラクターだ。
個人的に多義は特に好きなキャラクターである。
落ち着いているし、各個人をよく見ている。
そういう穏やかな性質がとても好きだ。
それも含めてアニメでの登場が待ち遠しい。

アニメも楽しめて、原作も楽しめる。
良い作品に出会えたと思う。
アニメのDVDも近々発売するのでそれも楽しみだ。

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